春の香り
お隣の沈丁花です。
とてもいい香りです。昨年も撮らせていただきました。
引越しのときに持ってこれなくて、お好きな方にもらっていただいた
我が家の花は元気にしているかなぁ・・・
この香りは高校時代に私を連れていってくれます。
私が通った高校は、最寄の駅から徒歩12.3分でした。
その通り道には、新日鉄の社宅がたくさんありました。
高校の合格発表が終わって、入学の説明会に学校に行ったとき、
ふっといい匂いを感じてあたりを見回しましたがわかりません。
それ以上捜そうともしなかったのは、今から始まる新しい生活への
期待と不安でいっぱいだったからでしょうか。
次の年の春はその説明会のマイクなどのセッティングに
学校に行きました。(私は放送部に入ったのです)
まだ中学の制服姿の新入生は、入試から解放された安堵感から
はしゃいでいるように見えました。
(昨年の私・・・花どころではありませんね。)
在校生の私たちも春休みに入っていましたので、のんびりと
学校までの行き帰りの道を楽しめました。
「いい香り」友人の誰かがそう言い、「どこのお宅にあるのかなぁ」と
話しながら春の日差しの中を歩いたものでした。
三年間、それが続き、社宅のどこかのお宅から香ってくるこの花の
香りとともに私は春を迎えていたように思います。
私の代の卒業とともに校舎は移転し、新日鉄も会社の中心を君津に
移し始め、社宅もなくなりました。
今は全く異なった道筋がひろがっています。
でもきっと、その道筋のどこかのお宅に沈丁花の花が植えられて、
ふっと香っているに違いない、そんな気がします。
by machimemo
| 2006-03-18 07:11
| 草花に寄せて